私たちの日常生活に大きな変化をもたらしたデジタル革命は、漫画の世界にも影響を与えています。日本を代表する漫画家の手塚治虫による作品全編、ベルギーの漫画家エルジェによるタンタンの冒険、フィンランドの作家トーベヤンソンによって誕生したムーミンなど、世界各国で現在も昔からの漫画やその登場人物は親しまれています。近年では発達したIT技術によって従来の漫画作品がCGでリメイクされるなど、想像もしなかった形で私たちを今でも楽しませてくれます。ここでは、デジタル時代において漫画がどのように変容してきたかを簡単にご紹介します。

ゲームから発生したデジタルコミック

世界初のデジタルコミックは、1985年に日本人漫画家の寺沢武一によって発表された「黒騎士バット」です。これは漫画の内容を含むデジタルコンテンツで、主にゲームをプレイするより「読む」ことに主体をおいた新しいジャンルのゲーム&漫画でした。当時はファミリーコンピュータの登場で、一般の人にもゲームが受け入れられ、デジタル分野の発展にも繋がりました。1990年にはゲーム会社のハドソン「うる星やつら STAY WITH YOU」を発表し、事実上デジタルコミックの名称で正式に発売されたコンテンツ第一号となりました。1990年代半ばになると、BGMや効果音、声優による音声を加えた本格的な作品が登場し、ボタンを押すことで読み進めていく本質的な意味でのデジタルコミックが確立されました。その後、インターネットの動画サイトの普及によってデジタルコンテンツの配信が簡単になり、ボイスコミックムービーコミックモーションコミックなどへと派生していきました。

パソコンを使ったウェブコミックの普及

IT技術の向上により、従来のペンとインク、原稿用紙を使ったアナログ式で描くコミック&漫画に代わって、パソコンとソフトウェアを使ったデジタル式コミックが急増しています。プロの漫画家やイラストレーターでなくても、パソコンソフトウェアペンタブレットがあれば、誰でも簡単に作成できるので、アマチュア作家を中心に広がっていきました。人気作品に「きょうの猫村さん」「ぼく、オタリーマン」があり、ウェブで人気を集め、その後単行本として書店で販売されるいわば「逆輸入」の漫画がたくさんあります。アマチュア作家は自分のウェブサイトやSNSなどを通してオリジナル作品を紹介し、知名度を得ることで本格デビューを目指すことができるようになりました。インスタグラムは特にデジタル4コマ漫画など手軽に読める漫画でにぎわっています。

スマホでお気に入り漫画が読めるまんがアプリ

スマートフォンの普及により様々なアプリが開発され、漫画もアプリで気軽に読める時代になりました。多くのまんがアプリは無料でダウンロードでき、無料または期間限定で公開している漫画の種類も豊富です。課金または購入することで続きを読むことができる仕組みなので、無料で試し読みをして、本当に気に入った漫画だけを購入できる嬉しいサービスです。まんがアプリの利用者数は、LINEマンガが300万人、コミコが260万人、マンガワンが250万人と、各アプリともユーザー数はミリオン越え。昔の漫画のリバイバルも人気で、漫画図書館Zなど各アプリで最新の漫画から懐かしの名漫画まで取り揃えも充実しています。まるでデジタル版漫画図書館のようなまんがアプリを使わない手はありません!長時間読みふけることも可能なので、節度を持って楽しみましょう。